NGF WORLD Golf Campus Image
  • メンバーログインは右の [ Login ] ボタンをクリックしてください。
National Golf Foundation College Textbooks
THE GOLF FUNDAMENTALS
-  ゴルフ経営原論  第一部 ゴルフビジネス  -
第二章 プロモーション
Section 4 コース常設のエクササイズ&トレーニングプログラム

コースの良し悪しは整備された練習場の備えがあるか否かにかかっているが、日本のコースは一般的に練習場設備がお粗末である。立派な練習場を備えたコースでも、なぜか有効活用されているところが少なく、10時過ぎれば殆んどの練習場が「雀の遊び場」になっている。この付帯設備を有効活用すれば素晴らしいプロモーション活動ができるばかりか、ニューカスタマーの開拓にも大いに役立てることができるだろう。
先にも触れたとおりゴルフは練習するところと実戦するところが異なる。欧米諸外国ではコースに練習場が備わり、機能も経営も一体化しているが、日本では機能も経営も分離されてコースはコース、練習場は練習場として独立事業体となっている。そのためかコースにおいても練習場においてもプロモーション活動が発展せず、ニューカスタマーの開拓もゴルフの振興も長年にわたって低迷状態が続いている。コースの練習場を有効活用することは、コースの経営にとってもニューゴルファーの誕生にとっても今後の研究課題ではないか。
コースを神聖にして貴重なステージのように特別視する風潮もある。その典型はマスターズが開催されるオーガスタ・ナショナルで、ボビー・ジョーンズがマスターズ開催のために創設し、少数メンバーが多大な負担を負いながら維持しているプライベートコースである。神聖なマスターズの舞台は最高のコンディションを整えるため、通常あまり使用されることはない。しかし一般にはゴルフをするためのコースであって、特別視する必要は全くない。その証拠に聖地セントアンドリュウスですら市営パブリックコースで、聖日の日曜日は無料公開されている公園にすぎない。だからコースを特別視する必要はなく普段の練習にも使えるようにすれば、コースを使っていくらでもエクササイズやトレーニングを行うことができる。
日本にはこのような考えが殆んどなく、常時プレーヤー及び関係者以外立入禁止区域となっているから、特別許可を貰わなければ練習することもプレーヤーに同伴することも許されない。聖地セントアンドリュウスは一般解放されているが、日本はパブリックコースでも聖域として立入禁止となっていることは誠に不思議である。日本にコース常設のエクササイズトレーニングプログラムが育たなかった根本原因は、経営の閉鎖性とカスタマー不在の経営姿勢にある。この点にメスを入れて経営構造の改革ができたならば、ゴルフプロモーションは一気に加速しゴルフマーケットは再び拡大することになるだろう。
長野県軽井沢に日本最大のパブリックコース『軽井沢72ゴルフ』がある。ここにはパットコース、ショートコースを備えた練習場が二つ。9ホール練習コースが一つ。乗用カート専用コースが18ホール。本格コースが108ホールある。米国パームビーチ、パームスプリングス、パインハーストや豪州ゴールドコーストにも負けない一級のゴルフリゾートで、ホテルやショッピングモールも充実している。ここでプロモーションプログラムを展開するシミュレーションモデルを研究してみよう。