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THE BUSINESS FUNDAMENTALS
-  ゴルフ経営原論  第二部 ビジネスマネジメント  -
第四章 デジタルマネジメント  INTRODUCTION

マネジメントのポイントは目標や標準を設定することからはじまる。目標や標準が設定されなければ単なる掛け声やキャンペーンに終ってしまうが、数値によって目標や標準が設定されれば、誰でも比較評価することができる。例えば売上目標1億円達成とか標準利益20%確保といえば誰の目にも明らかであるが、「がんばろう」や「売上増強」では具体的な目標がないから、やがて掛声倒れに終る可能性が高い。日常生活でも頻繁に体験することだが、「一日一万歩」も「10分体操」も「ワンコイン貯金」も数値目標を掲げることによって実現性や継続性を高めようとするデジタルマネジメントの一種に他ならない。
マネジメントするうえにおいて、抽象概念や理想目標は意味がない。大切なことは具体的な概念や実現可能な数値目標を掲げ、達成するための方法論やプロセスを明らかにすることである。デジタル化とは物事の表現に対して誰もが共通認識を持てるよう、抽象的な概念や曖昧な表現を排除して数値化・記号化することである。例えば「僅か」ではなく「2とか3」で、「多く」ではなく「50とか100」と言う具体的数値で示すことや、「明るい色」ではなく「赤とか黄色」で、「暗い色」ではなく「黒とか灰色」で示すことのようだ。実際は先端技術を駆使したハイテクノロジーのようだが、確かにデジタルカメラもデジタルテレビも画像が鮮明で色も鮮やかなことは確かだ。
マネジメントの領域でも目標や標準を設定するに当たり、明確な数値や概念を示して共通認識を確かにする管理方法をデジタルマネジメントといっている。例えば「もっと売上を伸ばし経費を節約して利益を上げよ」とか「窒素・リン酸・カリをバランスよく撒布せよ」では命令が明確に現場に伝わらない。「年間売上を10%増加し、費用を10%削減し、利益を20%確保せよ」とか「A肥料を年間50kg、B肥料を30kg、C肥料を20kgうち80%は春から夏にかけて20%は秋から冬にかけて撒布せよ」と命令されれば現場は分かり易い。これがデジタル化である。さらに「売上と経費の月間集計及び四半期集計を予算案と比較分析し報告せよ」とか「施肥状況を日報に記録し、芝草を毎週撮影して健康状態をチェックせよ」ならデジタルマネジメントになる。
このようにデジタルマネジメントは目標や作業を具体的な数値や内容で表現し、指示者と担当者及び担当者同士が明確に内容を把握し、かつ共通認識することに意義と目的がある。組織力は組織内部のコミュニケーションにあるといわれるが、それは組織内部や部門間の報告・連絡・相談の正確さやスピード感によって実現する。デジタル化が進むことによってコミュニケーションツールも進化し、組織の在り方やマネジメントシステムも大きく変化してきたが、これも全て情報通信革命によるイノベーションである。